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生活習慣病? |
BGMは Tarrega 作曲, ELIXIR 演奏 「アデリータ」・・・無断転載禁止
| 質問 : 最近、テレビや新聞で生活習慣病と言葉を目にしますが、あれはどんな病気のことですか? 成人病とはどう違うんですか? |
| 答え : そうですね、最近よく見ますね。以前は成人病と言われていたのをこのように呼ぶことにしたようです。それはマスコミが使いだしたんではなくて、厚生省からの指示によるものです。 いわゆる「成人病」には糖尿病、高血圧、痛風、高脂血症、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血に悪性腫瘍まで含めたもので、成人になってから多い疾病という意味ですが、これらは小児期でも発症することもある病気も多く含まれることや、分類自体があいまいで、しかもそれぞれへの対応の仕方も多様であるために、この「成人病」ということばに対する批判が多くありました。 それに対して厚生省が提案したのが「生活習慣病」ということばです。これは多くの「成人病」が生活習慣によって発症したり増悪したりする側面を強調する意味合いがあります。 たしかに、糖尿病や高脂血症、高血圧などは生活習慣によって良くなったり悪くなったりする要素が大いにあることは間違いありませんが、これらの多くの病気の主たる原因は生まれつきの体質にあることも確かなことです。 つまり、これらの疾病は生まれつきの(親から受け継いだ)遺伝的な体質が主体で発症するもので、発症の誘因として環境の変化も大きく作用しているのです。 この環境変化には産業廃棄物、排気ガスなどの公害による水や空気の汚染、有害な食品添加物、原子炉からの放射能漏れなど多くの要素があります。 これらと並列して個人的な生活習慣も大きな要素の一つであるってことです。 主たる原因が体質にあり、増悪因子として多くの環境変化や生活習慣があるってことです。 では、厚生省は、なぜ増悪因子の一つにすぎない生活習慣だけを取り上げて「生活習慣病」なることばを選んだのでしょうか? 政府の義務である環境問題を個人の問題にすり替えようという狙いかもしれませんし、またなるべく医療機関にかからずに自分で生活習慣を正しなさいという「医療費抑制策」として考えた苦肉の策なのかも知れません。 いずれにしても「生活習慣病」は生活習慣の悪さが原因で起こる疾病ではありません。単に増悪因子として生活習慣も大きな誘因になっている疾病のことです。 私が一番心配しているのは、このことばによって病気にかかった方々に対する偏見・差別をより助長するんではないかと言うことです。 現に糖尿病にかかった方に対して、「あいつは甘いもんばっかり食べてるから糖尿になったんだ」というような無知と偏見に満ちたいじめが多く見られますが、それがますますエスカレートしていくと考えられます。人類の歴史のなかで病人に対する無知と偏見ほど哀しいものはありません。 多くの病気のほとんどは本人に責任があるのではなく、運が悪いために病人になるのです。 生まれながらの遺伝体質やウイルス感染症、公害などによって病気なってしまった方は、それぞれの体質、病状に合わせた生活習慣に変えて行かなければならいないのは当然のことです。 どんな病気にもどんな体質の人にも効果のある治療薬がないのと同じように、誰にでもすすめる生活習慣などありえません。各人それぞれに合ったより良き生活習慣を見付けるのも医師の重要な仕事の一つなのです。 |
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